リフォーム前に必須!アスベスト事前調査の重要性と石綿の種類や費用

こんにちは!この記事ではアスベストとは何か、その調査がなぜ必要なのか、さらに調査の流れや費用、信頼できる業者の見つけ方まで、リフォーム前に知っておくべき情報をわかりやすくご紹介します。

リフォームを考えている皆さんの中には、アスベストという言葉に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。特に、古い建物に住んでいる場合やこれからリフォームを計画している方にとって、アスベストが潜んでいる可能性は見逃せない問題です。

私はリフォーム営業マンとして10年以上の経験を持ち、これまで多くのお客様から「失敗した!」や「もっと早く知りたかった…」という声を耳にしてきました。そんな後悔を少しでも減らし、皆さんが安心してリフォームを進められるように、この記事ではアスベスト事前調査について詳しく解説しています。

リフォームで失敗しないための知識を一緒に学びましょう!

家にアスベストが潜んでいる?まずは知っておきたい基礎知識

リフォームを考えている方にとって、アスベストの問題は避けて通れない重要なトピックです。特に、古い建物ではリフォーム作業中にアスベストが露出し、健康被害を引き起こすリスクがあります。アスベストはかつて「夢の建材」と呼ばれるほど幅広い用途で使用されましたが、その後、深刻な健康リスクが明らかになりました。では、なぜアスベストがこれほど問題視されるのか、そしてリフォーム時にどのような対応が必要なのか、この記事で解説します。

アスベストとは何か?そのリスクと規制

アスベストは、天然に存在する繊維状の鉱物で、耐熱性や絶縁性、耐久性が非常に優れていたため、かつては建材や自動車部品、断熱材などに広く使用されていました。しかし、アスベストの微細な繊維を吸い込むことで、肺に深刻なダメージを与え、肺がんや中皮腫などの命に関わる疾患を引き起こすことが確認されました。このため、1980年代以降、多くの国でアスベストの使用が規制され、日本でも2006年に全面的な使用禁止が施行されています。

ただし、既存の建物にはまだアスベストが残っている可能性が高く、特に1970年代から1980年代に建築された建物は要注意です。リフォーム作業中にこれらのアスベストが飛散すると、作業員や居住者の健康に悪影響を及ぼすため、事前の調査が不可欠です。

どの年代の住宅にアスベストが含まれている可能性があるのか

アスベストが広く使用されていた時期を考慮すると、特に1960年代から1980年代にかけて建築された住宅にアスベストが含まれている可能性が高いです。日本では1975年に一部のアスベストの使用が規制され始めましたが、完全に禁止されたのは2006年のことです。したがって、1970年代から1990年代初頭にかけての住宅では、屋根材や外壁材、断熱材、床材などにアスベストが使われているケースがあります。

特に、建物の取り壊しやリフォームを行う際、アスベストを含む材料を削ったり壊したりすると、アスベストの微細な繊維が空気中に飛散し、呼吸を通じて体内に取り込まれる可能性があります。このため、リフォームを行う際には、建物の年代や使用された建材を確認し、アスベストのリスクを把握することが重要です。

アスベスト調査がリフォーム計画に必要な理由

リフォームを行う前に、アスベストの有無を確認する事前調査は、リフォーム計画を安全かつスムーズに進めるために必須です。アスベストが含まれている建材を知らずに作業を進めると、作業員や居住者が知らず知らずのうちにアスベスト繊維を吸い込み、後々の健康被害を引き起こすリスクが高まります。

また、アスベストが発見された場合、除去作業には専門の技術と許可が必要です。アスベスト除去には費用がかかりますが、事前に調査しておくことで、費用面の見積もりが正確になり、リフォーム計画が遅れることなく進行するメリットもあります。さらに、アスベスト除去後の安全な施工環境を確保することは、リフォーム後の住宅の価値を保つ上でも重要です。

リフォームは住宅の快適性を向上させる大切な機会ですが、その際にアスベストの問題を見過ごすと、長期的な健康リスクに直面することになります。アスベスト事前調査を怠らず、しっかりと対策を講じて、安心してリフォームを進めてください。

アスベスト事前調査の流れとその具体的な手法

リフォームを行う際、特に古い建物においてはアスベストの有無を確認するための事前調査が必要不可欠です。アスベストが含まれている建材がリフォーム中に壊されると、その繊維が空気中に放出され、作業者や居住者に健康被害を及ぼす可能性があります。そのため、アスベスト事前調査はリフォームを安全かつスムーズに進めるために、最初のステップとして必ず行うべきです。

調査の依頼方法とプロセス

アスベスト事前調査は以前まで誰でも調査可能でしたが、今は資格を持った調査者しかできなくなりました。まず、リフォームを予定している建物がアスベストを含んでいる可能性があるかどうかを確認し、その疑いがある場合は現地調査で検体を採取し専門機関で検査する必要があります。この検査を実施するものも資格者でなければなりません。

調査結果が出るまでには一般的に1週間程度必要です。検査結果によって工事の段取り、費用が大きく変わってきます。

調査結果の解釈と次に取るべき対応策

調査結果が出たら業者から詳細な報告を受けます。この報告には、建物のどの部分にアスベストが含まれていたのか、どの程度の量が発見されたのか、さらにそのリスクがどの程度かが記載されています。ここで重要なのは、発見されたアスベストの量や状態が、リフォーム作業にどのような影響を与えるかを正確に理解することです。

アスベストが含まれていることが確認された場合、アスベストが飛散しないよう対策を施しての作業となります。また解体時に出る建材廃棄物に、アスベストが含有しているので密閉し石綿含有廃棄物としてしなければならず、処理費も増額されることになります。アスベスト調査はコストや時間がかかりますが、健康被害を出さない為には必要なステップです。

アスベスト含有の場合、追加工事費はどのくらい?

リフォームを進める際、アスベストが含まれている建材が見つかった場合、追加の工事費用が発生します。アスベストの除去作業は専門的な技術を要し、厳格な法的規制の下で行われるため、通常のリフォーム作業よりも高額になることが一般的です。では、具体的にどのくらいの追加費用が発生するのか、以下で詳しく説明します。

アスベスト除去費用の内訳と相場

アスベスト除去作業には、普通の作業では生じない手間が増えます。

一般的な除去費用の相場は、1㎡あたり約5,000円から20,000円と言われています。たとえば、アスベストが含まれている天井や壁の面積が広ければ、それだけ費用がかかることになります。また、アスベスト除去に関わる安全対策や廃棄物処理の手続きも費用に影響を与えます。さらに、作業現場が住宅地や人が多く集まる場所にある場合、飛散防止のための厳重な養生や周囲の安全確保のための追加コストが発生することもあります。このため、建物の立地や状況に応じて費用はさらに高額になることが予想されます。

一般的には屋内リフォームでは10万~30万。屋外リフォームでは50万円前後の増額となります。

アスベストは1つじゃない!石綿の種類

アスベストはその耐久性と耐熱性から、建材や工業製品に広く使用されてきましたが、健康に重大な影響を与えることが明らかになり、現在ではその使用が厳しく制限されています。アスベストには複数の種類が存在し、それぞれ異なる特性や用途を持っています。ここでは代表的なアスベストの種類について説明します。

クリソタイル(白石綿)

クリソタイルは、世界で最も広く使用されていたアスベストの一種で、白い繊維状の鉱物です。建築資材や断熱材、ブレーキライニングなど多くの製品に使われていました。特にクリソタイルは、その柔軟性と耐久性から、他のアスベストよりも加工しやすいという特徴を持っています。しかし、吸引すると肺の内部に繊維が残り、長期的な健康リスクが高まります。そのため、現在では多くの国で使用が禁止されています。

クロシドライト(青石綿)

クロシドライトは、青みがかった繊維を持つアスベストで、クリソタイルに比べて硬くて脆い特性があります。このため、耐熱性や耐化学薬品性が高く、工業用途で多く使用されてきました。特に配管やボイラー、船舶の断熱材として使用されていましたが、その繊維は非常に細かく、空気中に飛散しやすいため、吸引した際の健康被害が深刻です。肺へのダメージが大きく、他のアスベストに比べても特に危険性が高いとされています。

アモサイト(茶石綿)

アモサイトは、茶色い繊維を持つアスベストで、クロシドライトに次いで危険とされる種類です。建築材料や断熱材、消防用の防護シートなどに使用されていました。アモサイトは非常に強靭で、熱に対する耐性も高いため、工業用に重宝されました。しかし、その硬くて脆い繊維は、肺に吸入された際、容易に肺組織に突き刺さり、がんや中皮腫を引き起こすリスクがあります。

アクチノライト

アクチノライトは、緑色がかった灰色の繊維を持つアスベストの一種です。このアスベストは比較的珍しいものの、過去には断熱材や耐火材として使用されていました。アクチノライトの繊維は細かく、人体に吸引されると、他のアスベストと同様に健康に悪影響を及ぼします。特に肺がんやアスベスト症を引き起こす可能性が高いとされています。

トレモライト

トレモライトは、アスベストの中でも特に危険性が高いとされる種類の一つです。白または灰色の繊維を持ち、天然の石材に微量含まれていることが多いです。トレモライトは特に断熱材や建材に含まれることがあり、その繊維は非常に鋭く、体内に吸い込まれると肺に深刻な損傷を与えるリスクがあります。

アンソフィライト

アンソフィライトは、他のアスベストに比べて使用例が少ないものの、一部の断熱材や耐火材に含まれていました。灰色や緑色の繊維を持ち、硬く脆いため、飛散しやすい特徴があります。吸引すると、他のアスベストと同様に健康被害を引き起こし、特に肺疾患を誘発するリスクが高いです。

アスベストの種類は異なるものの、いずれも健康に深刻な影響を与える可能性があるため、リフォーム時には必ず事前に専門の調査を依頼し、適切な対策を講じることが重要です。

一般住宅でアスベストが含まれていることが多い建材

一般住宅において、特に古い建物にはアスベストを含む建材が多く使われていました。アスベストは、耐熱性や耐久性に優れているため、さまざまな箇所で使用されていましたが、その後健康リスクが認知され、使用が制限されています。以下では、特にアスベストが含まれていることが多い建材を詳しく説明します。

スレート屋根、軒天

スレート屋根材は、耐久性が高く、長期間の使用が可能であったため、1970年代から1980年代にかけて多くの住宅で使用されました。このスレート屋根材には、アスベストが含まれていることが多く、特にリフォームや屋根の改修時にアスベストの飛散が懸念されます。スレート屋根材は硬くて丈夫ですが、割れたり劣化したりすると繊維が空中に放出される可能性があるため、リフォーム時には適切な対応が必要です。

吹き付けアスベスト(断熱材)

吹き付けアスベストは、断熱材や耐火材として広く使用されました。特に屋根裏や壁内部、床下など、建物の断熱性を高めるために吹き付けられたアスベストは、非常に危険です。吹き付けタイプのアスベストは、繊維が飛散しやすく、劣化すると容易に空気中に飛び散ります。そのため、リフォームや解体作業時にこの部分にアスベストが含まれている場合、事前に専門的な調査と除去が必要です。

外壁材(窯業サイディング、モルタル)

アスベストが含まれた外壁材は、特にセメント系のサイディングボードに多く見られます。セメントとアスベストを混合して強化した外壁材は、耐久性や耐火性に優れているため、古い住宅で広く使用されました。この外壁材も、経年劣化や破損によってアスベストが飛散するリスクがあるため、リフォームや外壁の塗り替え時には注意が必要です。

ビニール床材

ビニール床材やクッションフロアにもアスベストが含まれていることが多いです。特に、1960年代から1980年代にかけて製造されたビニール床材は、耐久性を向上させるためにアスベストが使用されていました。床材が破損したり、削られたりすると、アスベスト繊維が空気中に放出される可能性がありますので、張替えやリフォームを検討する際には事前に確認が必要です。

石膏ボード

石膏ボードは、内装材として非常に多く使われている建材です。特に1970年代から1980年代にかけては、アスベストを混ぜた石膏ボードが製造されていました。石膏ボードは、壁や天井の下地材として使用されているため、リフォームや取り壊しの際に問題になることがあります。この建材も、作業時にアスベストが含まれている可能性があるため、必ず調査を行うことが推奨されます。

セメント板(コロニアル)

セメント板は、住宅の外壁や屋根材として使われていましたが、このセメント板にもアスベストが含まれていることがあります。特に、波形スレートやフラットタイプのセメント板は、アスベスト含有率が高いことで知られています。リフォーム時に削られたり切断されたりすると、アスベスト繊維が飛散しやすいため、専門業者による適切な処理が必要です。

以上のように、一般住宅にはさまざまな場所にアスベストを含む建材が使用されている可能性があります。リフォームや解体を検討する際には、事前に調査を行い、適切な対策を講じることが重要です。

リフォーム時のアスベスト事前調査まとめ

リフォーム時にアスベストが潜んでいるかどうかは、住宅の安全を保つ上で非常に重要なポイントです。特に古い建物では、アスベストが使用されている可能性が高く、事前に適切な調査を行うことが不可欠です。この記事では、アスベストのリスクや規制、そしてどの年代の住宅に含まれている可能性があるのかを解説しました。また、アスベスト調査の具体的な手順や依頼方法、結果の解釈方法についても詳しく触れています。

万が一アスベストが見つかった場合、除去作業には専門的な技術と時間が必要です。費用面でも追加が発生する可能性がありますが、適切に処理しないと健康被害や法的な問題を招く恐れがあるため、リフォーム計画を立てる際には必ず予算に含めておくべきです。

さらに、アスベスト事前調査を行わないリスクは大きく、後から発覚した場合には作業の遅延やコストの増加を引き起こします。リフォームを安全かつスムーズに進めるためには、信頼できる業者を選び、適切な調査を依頼することが最も大切です。

リフォームの成功の鍵は、事前にしっかりと準備をすることです。アスベスト調査を怠らず、安心してリフォームを進めていきましょう。もしご自宅のリフォームを検討している場合は、ぜひ早めにアスベスト調査を依頼して、最適なリフォーム計画を立ててみてください。